お風呂のリフォームはいかが? ユニットバスのお話② 歴史

今日につながる実用的なユニットバスを、世界で初めて誕生させた国をご存知ですか?

実は日本なんです。

東京オリンピックを翌年に控えた1963年、たくさんの外国人を迎えるために特に東京では宿泊施設の確保が急務でした。

都からの要請をうけて急遽建設が始まった「ホテルニューオータニ」は、日本初の超高層ホテル(17階建て)でありながら、工期は通常の半分以下、さらにほかでもオリンピックに向けた建設ラッシュで人手は不足、という厳しい状況下にありました。

施工を請け負った建設会社は、中でも特に日数のかかる浴室の工期短縮を求めて、新しい設計のお風呂をメーカー数社に依頼、そのうちの1社が当時まだ「東洋陶器」という社名だったTOTOだったのです。

(実はこのニューオータニの建設では、「カーテンウォール工法」などいくつかの「発明」とも思われる新工法が誕生しています。)



東陶(TOTO)は、研究に研究を重ね、多くの部分を工場で生産しておくプレハブ化(ユニット化)によって現場での工期を従来のおよそ10分の1に短縮化し、「防水パン」による高い防水性と、繊維強化プラスチックによる軽量化、浴室内側から部材ごとに交換可能な高いメンテナンス性等を有する「ユニットバスルーム工法」を開発しました。
そして、そのユニットバスルームを使った1044室のホテル浴室工事は、現場の方々の頑張りで工場製作から現場設置まで約3ヵ月半という驚異のスピードで完了したとのことです。

このあたりは私、某プロジェクトXという番組で見たような気がします(笑)。

このように日本で、TOTOが開発したユニットバスルームは、現在ではホテルだけでなく、戸建て住宅の浴室としても広く使われています。
そして長年にわたる研究開発を経て、さらなる快適性を備えた優れたバスルームとして人気を博しています。

写真は当時のニューオータニに設置されたユニットバスです。奇跡的にホテル内の倉庫に現物が残っていたらしいですよ。
今ではTOTO本社のある北九州小倉の「TOTOミュージアム」に保存、常設展示され、一般の方でも見ることが可能になっているとのことです。(写真はTOTOさんのホームページより拝借いたしました)

なんかかっこいいですよね。


2020年03月04日